チョコレートブラウン

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【ネタバレ】映画『ジョーカー』は危険思想か?ホアキン演じる2019年版ジョーカーの評価と何故ヒットしたかの理由。トランプ大統領との関り。

 

どうもご無沙汰してますチョコブーです!

 

今回は、映画、「ジョーカー」を見てきたので、解説をしてみたいと思います!

また、トランプ政治、アメリカ社会問題の面からの考察もありますので、気になる人はそちらを。

 

 

 

 

2019年版、ホアキン演じる『ジョーカー』、見る前に!予習!

 

まず、皆さんにこの「ジョーカー」を見る前に知っていてほしいことがあります。逆に、知っていてほしいことは三つだけなんです。ダークナイト』見たりする予習なんて要りません!

 

  1. ブルース・ウェイン後の「バットマン
  2. バットマン(ブルース)の父は、トーマス・ウェイン
  3. 映画の舞台はアーカムゴッサムシティ、トーマス率いるウェイン財閥が、この都市を実質牛耳っている

 

この三つだけです!

まだ見ていない方は、この内容を頭に入れて、見に行ってからまた解説を調べてみてください。特に、トーマスが後のバットマンの父であることは、知っておくといないとで全く印象が変わります。

 

では本編へ。

 

 

 

映画「ジョーカー」のあらすじ!不運に満ちた人生!つまらないという人もいる

 

 この問題作ですが、分かりやすくキャッチコピーをつけるとすれば

 「シャッター・アイランドと人間失格(ジョーカー)

 

と言う感じ。これはジョーカー生誕と言うより、社会問題に焦点が当たった作品だと思いましたし、ラストの解釈に因ればアーサーはずっとただの一般人です。だからジョーカーは()つきです…

 

私生活では精神病に悩まされ、コメディアンになって有名になりたいアーサー(ジョーカー)。彼は母と二人暮らしであり、同アパートのソフィーにひそかな思いを寄せる。

そんな中、金の汚職などでゴッサムシティを牛耳る、ウェイン財閥のエリート社員三人を、彼は地下鉄で射殺してしまう。

 

これが、アーサーと言う一般市民が、ジョーカーとして生きる幕開けだった。

 

彼のなかで、特に彼の人生に影響を与えているのは、妄想が見えるというもの。さらに、精神が高ぶると笑いが止まらなくなってしまうこと。

ストーリーが展開するにつれて、笑顔が減っていくアーサー。

唯一信頼できた母と、恋人ソフィーの裏切り。(裏切りと言うより、事実だけを追えば彼の勘違いにはなってしまうが、それが彼の、社会への執念を燃やす。)

リークを恐れてピエロ事務所の元同僚を殺し、母を殺害し、さらに尊敬するコメディ番組の司会であるマレーをも撮影中に射殺。(マレーがジョーカーの狂気の決め手になった)

 しかしゴッサムの政治腐敗を恨む若者たちがピエロ姿をして暴走し、アーサーをのせた警察車両に激突、救出し、ジョーカーを崇める。

 

 

彼は、やっとみんなから認められることに成功したのだった。

 

 

2019年版『ジョーカー』、ラストの考察。

最後は精神病院(おそらくアーカムアサイラム)において、アーサーが初めの薬の相談をしている人と対話している場面です。

ここでおそらく皆さんは、「あれ?」と思ったり、「ジョーカーがジョーカーとなったところで話を打ち切っておいた方がかっこよかったのに!」と思ったことでしょう。

 

おそらく皆さんが抱いたであろうこのラストの解釈を、整理しましょう。

  1. はじめからすべてアーサーの妄想だった
  2. アーサーは途中から妄想に入った
  3. アーサーがジョーカーとなった後、精神病院に入れられた

一つ目の解釈から見ていきましょう。

 

そしてここで皆さんに思い出してほしいキーとなるシーンが、最後です。

特に最後の、「アーサーの靴底の血」になります。

 

1.はじめからすべてアーサーの妄想だった

これならすべて決着が付きます。

アーサーははじめから精神病院に入れられ、カウンセラー(セラピスト)を登場人物として、物語を妄想で作り上げていった。

おそらく、これはジョーカーがゴッサムシティに登場した後の話で、自分がジョーカーならこういうストーリーが良いだろうと頭で考えていた。

ラストの「靴底の血」すら妄想である。

現実のシーンは、ラストの相談シーンのみ。

 ちょっと面白くありませんね。

 他の解釈も、見ていきましょう。

 

2.アーサーは途中から妄想に入った(なぜ冷蔵庫に入ったか)

これは、私が一番支持する解釈ではあります。

 

実は私、ちょっと気になっていた点がありまして、それは、

「アーサー、こんないい服着れるくらい金あるの?」

と言うもの。

 ソフィーに、ストーカーしていたことを見破られたシーンでは、彼は毛玉一つ立っていない若草色のセーターを着ていましたし、ボトムスも可成りいい生地のゆったりとしたものを着ていました。

それに対して、ブルースに初めて会いに行ったときは、明るいブラウンのベストに、同色のパーカーという見すぼらしい組み合わせでした。

 

更に少しずつ笑うことが少なくなっている。

 

つまり、彼が妄想世界にいる時は、彼は障害もないはずであり、いい服を着て、何とか運よく悪事を切り抜ける。

では、彼はいつ、妄想の世界に旅立ったのか。

 

それはおそらく、あの異様に長かった、彼が冷蔵庫に入るシーンでしょう。

警察の電話が何回も掛かってくる中で、冷蔵庫に入るジョーカー。しかし皆さんは、「なんであのシーンあんなに長かったの?」と思うはずです。

 

しかもこのシーンは、その後の展開に全く関りが無い…

 

この映画、何か不自然なシーンには、秘密が隠されているのです。アーサーは、冷蔵庫の中で、想像を膨らませた。

 そして家に来た警察に捕まった後、初めにあったセラピストと偶然再会し、殺害する妄想をした。

 

そういえば劇中でも、アーサーと母の対話の場面で、

「ママは人を笑顔にさせるって言ってくれたよね」

そんなこと言ってないわよ」 

と言う会話が、しれっと登場します。

 

なんか倒錯して、映画「シャッター・アイランド」のような衝撃のラスト解釈でしたね。

 

3.アーサーがジョーカーとなった後、精神病院に入れられた

これは、最高の理想のラストではあります。

 

さらに、ラストのバットマン誕生のシーンと重なって、ぞっとした方々も多いでしょう。

 原作では、バットマンは基本的に人殺しをしませんから、悪党をボコボコにタコ殴りにして精神病院にぶち込みます

ダークナイトでも、バットマンはジョーカーに「俺を殺せ!」というものの、ぼこぼこにしてバンジージャンプさせてビビらせるだけで終わります。

 バットマンのファンとしては、最高な解釈と言えるでしょう。

 

 

 

2019年版『ジョーカー』歴代映画との比較。

際立ったシーンが多かった今作。

 

実はこのストーリー、完全なオリジナルです。

 

というのも、原作にもジョーカーの誕生秘話は何個か登場します。

最も有力なのはレッドフードと言うヴィランが、金に困ってチンピラの手伝いをし、手伝い中に妻が死に、バットマンに追い詰められて酸の中に落とされるというハービー的な感じなのです。

映画「ダークナイト」の中では自分がジョーカーになった理由を、ジョーカーが語るシーンが何度かありますが、それぞれ違う理由を語っているのです。

 こんな感じで、今作は完全にオリジナル…とはいえ、

最後の、ブルースの目の前でトーマスと母が殺されて、真珠のネックレスが引きちぎられるシーンはしっかり踏襲されていましたね。ここは鳥肌立ちました。

 

 

 

バットマンの歴代ヴィラン

 

バットマンが「法の執行代理人」「秩序を守るもの」といったイメージに対して、バットマンの宿敵となるものたちは、基本的に、人を恐怖に陥れるものをイメージして作られています。

 

バットマンダークヒーローと言われる所以は、その恐怖を、より大きな恐怖で抑えようとする、何ともヒーローらしからぬ思想を持っているからです。

 

 バットマンの敵として思い浮かべられる者としては、

などですが、それぞれに、

  • ジョーカー(混沌)
  • キャット・ウーマン(泥棒)
  • ペンギン(ギャング)
  • リドラー(正体不明、謎)
  • ポイズン・アイヴィー(毒)

 と、分かりやすく人を恐怖に陥れるものが当てはまるのです。

 

映画「ジョーカー」が何故有名になったか。ヒットの理由をアメリカ社会問題とトランプ大統領政治から見る

 

私は、太宰治の「人間失格」が大好きなんですよ。

 

この作品、なんだかそれに似ている気がして。僕が人間失格好きだから、勝手に思っているだけかもしれませんが…

今作に登場する主な社会問題としては、

  • 薬物中毒
  • 雇用
  • 行き過ぎた個人主義
  • 貧困
  • 障がい
  • 精神病
  • 幼児虐待
  • ネグレクト
  • など…

ですが、人間失格で取り上げられた問題も、近いものがあるのです。

なぜこれがアメリカでヒットしたかと言うと、イギリスで1984年が大ヒットしたように、それだけこの社会問題に思いを寄せている人が多いからと言うこと。

 

しかも今はアメリカはトランプ政権なわけです。

トランプが何故当選したかと言えば、アメリカの貧困層が特に困っている、移民問題解決を訴えたから。

歴史の話になりますが、トランプがとった州は、アメリカの真ん中と、下の方です。つまり、荒野が多く、親が鉱山の働き手だったりして、勉強があまりできなかった人たちの多い場所。

そこにメキシコから移民が来て職を奪っていくのですからたまったもんじゃありません。

トランプは、今危機を感じているWASPに同調して当選したのです。

実は、ヒラリーに当選してほしいと思っていた人も多いと思いますが、ヒラリーが主に取ったのは西南海岸の、裕福層の支持。ニューヨークやカリフォルニアなど、私たちが普段思い浮かべるアメリカの明るい面の象徴なのです。

アーサーは、虐げられ、しかも白人であり、人生は貧困の中ずっと不運に見舞われます。

 

トランプ当選と、ジョーカーのヒットは、アメリカの貧困層の不満が募っていることを表すのです。

 

おそらく、生まれたときからある程度裕福な人から見れば、この作品は大きくつまらないものでしょう。

しかし、誰もが行き当たる可能性のある社会問題を多く含んでいるからこそ、ここまでヒットしたのではないかと考えます。

 

まとめ

なんだか尻切れトンボ的説明になってしまいましたが、

  • はじめからすべてアーサーの妄想だった
  • アーサーは途中から妄想に入った
  • アーサーがジョーカーとなった後、精神病院に入れられた

この解釈三つの中で、何を信じるかはあなた次第ですし、異論を唱える人も多いと思います。

 

ただ、アーサーの着ているもののように、何か違和感があるシーンは、確実に解釈のヒントが隠されています。

 

気になるあなたは、すぐまた映画館へ!

 

と言う私も、明日また見に行こうかな…

 

それではまた!