【新型コロナ対策】ウイルスとは何かを絵で分かりやすく説明
ウイルスって何だろう。
今回は、これについて述べようと思う。
ウイルスは、一言で言えば、「ものすごくシンプルな寄生虫」だ。この定義はシンプル過ぎて物議をかもすかもしれないが、この理由を述べていこう。
ウイルスは生物か?
「ウイルスは生物だ!とは、言い切れない。」これを聞いたことがある人は多いと思う。
しかしこの根拠までは知っている人は少ないのではないか。これには、生物が生物たるための3つの根拠がある。
この三つを満たすものが生物だ。
ひとつづつかみ砕いて見ていこう。
1.境界があるか?(細胞膜とかがあるか?核が、なにかで包まれているか?)
これは、その核となるものが、何かで包まれているかどうかということに当てはまる。
例えば、ぼくらの細胞は、細胞膜という膜で覆われていて、植物や、虫も同じだ。実は、ぼくらの細胞の7割は水分だから、この細胞膜が無いと、ぼくらはどろどろに溶けだしてしまう。
このような境界があるかどうかだ。
ウイルスは、真ん中にDNAという体の設計図的なやつを包み込んで、その外にカプシドと言われるたんぱく質の殻を持っている。
つまりウイルスには境界がある。
細菌とウイルスは同じものか?
ちょっと次に行く前に、脱線して細菌とウイルスについて考えよう。
細菌とウイルスは、全く違う。
細菌は、生物だ。単細胞微生物と言う。
しっかり細胞を持っていて(①境界がある)、DNAを持っていて(②複製ができる)、呼吸や光合成をすることができる(③代謝ができる)。
しかし、ウイルスは、生物と非生物の間のぼんやりしたものだ。
だから、もし「除菌99.99999%」と書いてあるスプレーを使っていても、ウイルスまで消せているとは言えないことに注意しよう。
2.複製できるか?(DNAとかRNAがあるか?)
ウイルスは、先ほど述べた殻の中に、DNAもしくはRNAを持っている。
DNAとは、いわゆる体の設計図だ。そしてRNAは設計図のコピーである。
普通、生物は、DNAを先に持っていて、
DNA → コピー → RNA → つくる → タンパク質
という手順でたんぱく質をつくりだして、何とか生きている。このたんぱく質の中には、酵素とか、ホルモンとか、抗体も含まれる。(ちなみにこの手順しかありえねえだろ?って考え方を「セントラルドグマ」という。)
しかし、ウイルスの中には、RNAウイルスという厄介者がいる。こいつは、最初から、RNA(設計図のコピー)のみを持っている。
そしてその中には、レトロウイルスという大悪党がいる。
普通は、セントラルドグマのはずだ。しかしながらこの大悪党レトロウイルスは、恐ろしく賢い。RNAからDNAが作れてしまうくらい賢いのだ。
つまりこいつは、体の設計図のコピー(RNA)だけを持っていて、原本(DNA)を作れてしまう。
普通
DNA → コピー → RNA → つくる → タンパク質
レトロウイルス(例外)
RNA → 元を想像する → DNA → コピー → RNA → …
と言う感じだ。レトロウイルスの代表格には、HIVがある。
話がそれたが、DNAウイルスは、RNAの役割もちょっとするし、RNAウイルスは、DNAの役割もちょっとする。
こうやって生きていくのに必要なたんぱく質を生み出す。
つまり、ウイルスも自分を複製できることはある。
RNAウイルスは、なにがやばいの?
先に行っておくと、残念ながら新型コロナウイルスは、RNAウイルスだ。
レトロウイルスではない。
しかし、RNA型ウイルスは十分やばい。
RNAウイルスは、設計図のコピー(RNA)しか持たず、こいつの仲間がちょっとDNAの役割も果たす。こうしてたんぱく質を生み出して自分を複製できる。
それに対して、DNAウイルスは、こいつの仲間がRNAの役割も果たす。
ウイルスには、DNA型とRNA型しかないことは上述の通りだ。
まあこの、DNA型ウイルス(設計図の原本)と、RNA型ウイルス(設計図のコピー)、ふたつ並べてみてほしい。
どっちの方が変異しやすいだろうか?
DNAウイルス(設計図の原本)は、原本をしっかり持っているから、かなり堅い。しかしながら感染速度は遅い。沢山のタイプに分かれづらいからだ。
RNAウイルス(設計図のコピー)は、原本が分からないから、とっても臨機応変だ。脆いわりに、感染速度がかなり早く、沢山のタイプに分かれやすいのだ。
これが、新型コロナウイルス(CoVID-19)がRNAウイルスなのがやばい理由だ。
3.代謝できるか?(呼吸とか、光合成とか、ものを食べたり排泄したりとか)
こいつらウイルスは、めちゃくちゃシンプルな体を持つ。
殻と、核だけだ。
つまり、細胞ですらないから、代謝はできない。
生物としての枠を中途半端にしか満たさないウイルス
そして、ウイルスは、こいつら3つを中途半端にしか満たさないから、「ウイルスは、生物と無生物のあいだ」なんて言われる。
待てよ?
ウイルスが代謝をしないのなら、ウイルスはどうやって生きているんだろう。
ウイルスはどうやって生きているのか?
先に結論を言えば、
ウイルスは、生物に寄生して、子孫を残していく。
ウイルスは、5000万種類以上いるが、人間に害を及ぼすのは、数100種である。その中にも沢山のタイプに分かれる。
ちなみに、植物にしか感染して悪さをしないモザイクウイルスなんてのもいるし、人に感染しても悪さをしないウイルスもたくさんいる。だから、ウイルスがすべて悪い!とは一概には言えなそうだ。
ウイルスの増え方を図で示す。ウイルスは、最もシンプルな寄生虫だ。
上図がウイルスの増え方だ。想像しただけでも恐ろしい。
解説を入れよう。
- こいつがウイルスだ
- こいつが細胞にぶすっと穴をあける。そして、自分の核となるDNAもしくはRNAを細胞に注入する
- 青で示した、細胞の中にもとからあったDNA、そしてRNA情報は失われる。
- ウイルスの核が、細胞の機能をのっとって繁殖する
- ウイルスが、核を守る殻をつくる
- ウイルスが、細胞の壁を突き破って飛び出してくる
まとめ
こんなものにからだを侵されたくなかったら、静かに自宅でお休みしよう。あと、良く寝て、禁煙もしよう。
新型コロナウイルスは、驚くほど進化のスピードが速く、対ウイルス薬が、無い。そこで、罹ってしまったら、肺炎なら肺炎の治療を、熱なら熱の治療をしかできない。これを対症療法という。
ウイルスを知って、正しく恐れましょう。
失礼する。