ジョージ・オーウェル「1984年」は難しい?読みづらい人へ
こんにちはチョコブーです!
今回は少々お堅いお話。言わずと知れた名作、ジョージ・オーウェルの「1984年」に関する書評と、おすすめする理由について書いていきます!
ジョージ・オーウェルの「1984年」は難しすぎる?
こちらの本ですが、大体どの「読んでおくべき100冊!」とか、「人生の見方が広がる本100選!」みたいなサイトにも掲載されていますよね。
そしてこれは大体本好きな人なら読んだことある。特にSF好きな人は読んだことある。だいたいそーゆー人はブラッドベリの「華氏481度」も大好きですし、ハクスリーの「素晴らしい新世界」も大好きですよね。
おそらく皆さんはそーゆーニッチな人に勧められてこの本を手に取り、「あー読んどくか。勉強勉強!」と言って読み始めてみた。
でも思っていませんか?
- 「この本難しすぎねーか?」
- 「全然面白くない」
- 「世界観が全然分からない」
- 「ナチュラルに長い」
たしかにその通りなんですよ。私は、「素晴らしい新世界」を読んで超絶感動し、直後に読んだから「なにこれサイコーじゃん!」って思いましたけれど、可成り人を選ぶ本だと思います。
ジョージ・オーウェルの「1984年」が読みづらい人は、同作家の「動物農場」から始めること。
ジョージ・オーウェルの「1984年」ですが、恐ろしく難しいし、何言いたいか分からない。そんな人は、同作家の、「動物農場」から始めることを強くお勧めします。
なぜかというとこの「動物農場」、同じ問題を扱っていながら、同じ作家が書いたとは思えないほど簡単に、殆ど童話のように書いており、更には、とてつもなく短い。
おそらくこの「動物農場」を書店で手に取った時にまず、その「1984年」の半分くらいしかない薄さに驚くと思いますが、実はこの本、
その1冊の半分しか、本編ではありません
残りの半分は、オーウェルの書いた前書きなどです。こちらは社会的問題や、政治事情から、国によって発表できなかったものも書いており、こちらだけでも興味深いです。
しかしながら内容は、社会主義や全体主義批判であります。昨今の香港の問題も、同じような内容を含みますし、トランプも、ドゥテルテも、同じような問題を含んでいるのでは。
政治に興味があるひと、自分の、社会に対する存在の小ささを感じるひとこそ読んでほしい作品であります。
記憶の宮殿(精神の宮殿)の使い方。受験勉強の無機化学、有機化学編
どうも皆さんこんにちは!チョコブーです!
今回は、受験勉強に応用できる記憶の宮殿の使い方を述べていきたいと思います!
受験勉強に使える記憶の宮殿(精神の宮殿)
先日、記憶の宮殿(精神の宮殿)の作り方をアップしたところ、本ブログでも指折りの人気を誇るページになりました。皆さんありがとうございます。
私自身記憶の宮殿を使って受験勉強をしてみたんですけれど、特に記憶ゲーの無機、有機化学との相性が良かったみたいで、センターは物理化学ともほぼ満点、二次も入学時成績が学科で二番になりました。
私は一浪をして何とか中堅国公立に受かりはしたものの、その浪人時代と言えば、みんなとわいわい、、、
浪人していない人は、正直人生損してるんじゃないかなって思えるくらいは楽しかったのです。(ただ、塾選びは慎重に。。。)
私の浪人時代
私の浪人時代は少々特殊でした。
家に帰ったら真っ先にゲーㇺをし、しかしながら親や塾の圧力によって受験校は少々手の届かないくらいの高みを目指し。そのストレスでよりゲームをし、朝までやった挙句塾の休業中がっつり寝るという阿保みたいな生活を送っていました。
時々勉強もやったんですけれど、、、
皆さんはセンター直前模試と言うものを覚えているでしょうか。あいつで、完膚なきまでに叩きのめされたんです。
センター一か月前に受けたその模試ですが、結果は偏差値50。。。
俺の浪人時代は、何だったのかと思ってまず私は、勉強法の模索にかかりました。
そこで出会ったのが、と言うより、高校時代から好きだったドラマの「SHERLOCK」と言うやつでシャーロック・ホームズが使っていたのがこの、記憶の宮殿(精神の宮殿)だったのです。
さらっと言いますが、センター直前模試が終わってからセンターまでほぼ寝ずに勉強して、偏差値を63まで上げました。
逆に、俺の浪人時代は何だったのか。。。
まず、記憶の宮殿(精神の宮殿)のメカニズム、何故強いのか
そんなこと言っても!記憶の宮殿って何なん?
と言う人はこのサイトへ。結構時間かけてこの記憶法のメカニズムとか強みとか書いたんで、気になる人はどうぞ!
記憶の宮殿(精神の宮殿)の使い方は分かった。でも、無機化学とか有機化学とかどうすればいいの?
私自身、化学は特に、記憶の宮殿に頼りっきりでした。物理も、用語の定義を覚える時にはこいつを使っていました。と言うよりこいつしか使っていません。
最強の記憶法、記憶の宮殿(精神の宮殿)の、無機化学への使い方、私の例
無機化学は、私にとっては武器でした。
こいつですよ。見るだけでも拒否反応起こす人も多いと思いますが。。。
でも、受験で覚えるべき元素って、
この中でも1、2、13、14、15、16、17、18族
更に1、2、3、周期
ぐらいなもんなんです。しかも、ガリウムから右下はほとんど覚えなくてもいいですから。
覚える総数は、20くらい
こう考えると、割と簡単じゃないですか?
周期表の覚え方の具体例、語呂で覚えることはできるのか
私は、この周期表と同じ形の、バカでかいタンスを、精神の宮殿の中に置いていました。そしてそのタンスの各部屋を開けると、それらの情報が出てくるという具合に。
この記憶の宮殿と言う記憶法の特徴上、カンペシートと言いますか、チキンペーパーが必要になるのは無論ですから、それぞれの元素、
例えば、酸素なら、
- 無色無臭の気体
- 助燃性
- オゾンは酸素に紫外線
- 。。。
みたいなことを列挙した、できるだけ簡潔なカンペを作ります。
そして、
- ムキになった
- 女性が
- おっさんと滋賀に
- 。。。
と言う風にゴロにします。そしてこの語呂もカンペにします。
そして、そのでっかいタンスの中に、小さな女性と小さなおっさんを入れて、小さい滋賀も入れながら、それらを物語にします。
この語呂は、できるだけ印象的なものに。元素を覚える下ネタの語呂なんかが横行していますが、これは実は強烈に印象に残る戦法で、効率がいいのです。
しかしながら、語呂を覚えても、もったいないことにそれをイメージしない人が多い。いい大学に行って阿保したい人もいれば、いい学校に行ってしっかり勉強したい人もいると思いますが、今の社会の仕組み上、いい学校に行くことは、ある程度のステータスになるわけです。これは私はあまり好きではありませんが。
その、楽しい大学時代を手に入れるために、少々卑しいことでもイメージするだけなのです。じつにもったいない。
私は、イメージ記憶が海馬に強いという話を上記のブログで披露しましたが、語呂をイメージすることは、これに直結しますら。
自分の考えていることは、誰もぬすむことはできないし、見ることもできません。そこだけは自分の守るべき領域なので、皆さんもためしてくだざい。
で、話を戻しますが、精神の宮殿内で、そのタンスを開けば、知りたいことが出てくるわけです。その語呂が出てきて、それをキーにしてもともと覚えるべきものを想起します。
これが僕の方法でした。
最強の記憶法、記憶の宮殿(精神の宮殿)の、有機化学への使い方、私の例
私は、上記の通り、こちらもまとめて地図にしていました。その地図を、宮殿内に張り、そして、ベンゼンから広がるその地図をごろにして、覚えていました。
まとめ
私の紹介する記憶法は、一度カンニングペーパーを作るところから始まります。
そしてそれを完璧に記憶すれば勝ちなのです。
しかも精神の宮殿内で歩き回ることで、答え合わせや、確認ができ、それをするたびに理解が深まります。クイズが、もっとも効率の良い記憶法ですから。
私が宮殿内を歩いている時は、まあ見た目がやばかったらしくて(笑)
私は、塾の自習室に来て、カンニングペーパーを見ては、目を閉じて何かしている。だいぶと気持ち悪がられているみたいでしたが、其れで華の大学生活が手に入るのなら儲けものです。
だってこの記憶法、殆ど書かなくていいんですもの。
ではまた!
太宰治の、ありえない逸話三選
みんなおはよう!チョコブーです。
最近、どんな大人に話を聞いても、太宰に傾倒した時期はあったっていうんです。
やっぱり太宰すげー人なのかも。
と言うことで今回、ちょっと暗めなイメージのある文豪、太宰治の、ユニークな面白エピソードを集めてみました。
太宰の逸話
太宰と言われて、思い浮かべることって何でしょう。
「えっ。あのクズの人でしょ?」
それだけじゃないんです。と言うより、太宰と同じ人生を歩んできたとしても、あそこまで暗く描写できるのは、太宰が深い道徳心を、育ての親たけに教え込まれたから!
それでは本編。どうぞ。
味の素のはなし
これはかなり有名な話ですが、太宰は、「何にでも」味の素を掛けて食べていたそう。
彼の言葉で、
「僕が生涯で信頼できるのは味の素だけ」
というのを残しています。なんだかCMに起用されそうな名文ですが、こいつは面白い。
受験のはなし
東大仏語科を受験時、挙手をし声を上げて、フランス語読めないですどうにかしてくださいと言ったら通ってしまった。大学にはほとんど行かないが、たまたま行った日がテストで、一番前で受けて白紙のまま答案を提出した
井伏鱒二を見抜いたはなし
兄が東京土産で買ってきた何冊かの文学雑誌のなかで、井伏鱒二の初めて投稿した作品を一目見て、「この雑誌に載っている他の作家はひどいが、井伏さんだけは本物だ」と確信する。小学生の時。
太宰治『人間失格』のあらすじ考察、聖書とのつながりとは?聖書の簡単な説明も。
私が初めて太宰に触れたのは、というより、文学に触れたのは、高校卒業の時であった。
周りの文学少年達からいえば、かなり遅かったのは言うまでもない。それから、少しずつ、彼らに劣れり勝れり文学に、どぷりどぷりと浸かって行った。
なんてお洒落なイントロ書いてみました。柄じゃないのでやめますチョコブーです!
今回は、太宰治について、そして最大の人気を誇る作品である『人間失格』についての考察になります。
『人間失格』と漱石の『こころ』
人間失格といえば、新潮文庫で、夏目漱石の『こころ』と長年最高売上において対峙する、ライバル的存在であります。
私は、こころも十分に好きですが、太宰治の人間失格を初めて読んだ時の衝撃たるや、こころも十分に衝撃的な作品ではありますが、比にはなりませんでした。
さらに、人間失格には、ところどころに人間の弱さをつらつら書いているために、共感がしやすく、しかしながら
『自分は葉蔵よりはマシな人生だろう。がんばろ。』
と言う形で人生に希望を与える書であります。
漱石のこころが、中高所得者向けだと言う点に対して、太宰の人間失格は、かなり中低所得者向けの、庶民派の内容であり、誰でもそれになり得る危険を孕んでいる、『貧』に一つの焦点を置いた作品であることから、かなりのヒット作であることは明白です。
漱石のこころでは、主人公は大学生であり旅行なんかに行って別荘でくつろいだりする。さらに冒頭では、あの時代に外人が居てもなんの違和感もないくらい治安が良く、高所得者の集まったビーチから始まっている。
金の問題はなかなか出てこないんですね。
生まれたときからの坊ちゃんが、世間にもまれながらも、Kという恩人であり先生をたまたま見つけて、その人生に浸っていく話であり、矢張り漱石的な、高等遊民らしさがにじみ出る作品なのです。
人間失格のあらすじ
人間失格では、生まれたときは裕福な家庭にありながらも、その裕福さをうまく享受することができない人間が、女をひっかけて、クズのような人間にその女を蔑まれ、二人で心中しようとして自分だけ失敗し、実家からは勘当されてしまいます。
その後さらに別の女の家に逃げ込んで、その家も何も言わずに出て、バーに通い他の女をひっかけて、酒中毒、煙草中毒、薬物中毒と少しずつひどくなっていく。最後には、何も考えることができなくなってしまうという作品です。
私は、この生活よりは、ましな生き方ができている。そう思えませんか?
人間失格、また太宰の文体の特徴
人間失格を読んだ人の中には、
「何を言いたいのか分からない。」
「ただの屑の甘ったれの話。」
「くどい。」
「だらだら段落なく長い箇所が目立って途中でやめてしまった。」
そういう意見の人もかなり多く見受けられますが、それはすべて、太宰の筆のスタイルなのです。彼は、文筆の師として、「黒い雨」や「山椒魚」で有名であり、ノーベル文学賞候補となった井伏鱒二を慕っていました。彼の文体の特徴は、庶民の(特に中低所得者の普段の)生活を良く見て、冷静に描写し、更にその中に物語をつぐんでいくというものでした。
太宰の文体にも、この共通点があるのではないでしょうか。
さらに、太宰は、外国文学の日本語訳をかなり読んでいて好きな外国文学作家の中に、ドストエフスキーや、コクトーを愛読していました。
そう。彼の文体は、ドストエフスキーに酷似しています。彼の特徴は、
簡単な文で、分かりやすく、しかしくどく長く、誰にでも分かる文章でありながら、どこか悲しいし自虐的。
ドストエフスキーを読んでから、太宰を読み返すと、なかなか沢山の発見があるのではないでしょうか。
まずは、聖書の超簡単な説明から。
私は、聖書を読んだことがありません。
と言うより、聖書を買って、読んでみたのですが、なかなか面白く、しかしちょっと長すぎたため、旧約聖書の途中で放棄してしまっているというのが正しいです。
聖書自体は、かなり面白い作品ですし、誰でも読めるように、逐一すべての漢字にはルビが振られています。だれだれの子がだれだれで…と言う記述が多すぎて、何とも言えず途中でめんどくさくなってしまいました。
しかしながら、太宰の人間失格の聖書との関連は、面白いものがあります。
とされております。しかし両者の内容は、
旧約聖書は、
ユダヤ人が迫害を受け、救世主が現れるのを待つ
と言う内容であり、
新約聖書は、
ユダヤ人が迫害を受け、救世主が現れるのを待っていた。そこにイエス・キリストが救世主として現れ、キリスト教を全世界に広めようとしてユダヤ教徒から迫害を受けた。(ユダヤ教は、ユダヤ人しかなれない、という宗教であるがために。)ローマ帝国の王により殺害されたが、三日後に生き返った。だからイエスが救世主だということが証明され、ローマ帝国はキリスト教を国教とした。
と言う感じなのです。
人間失格との関連を、お気づきでしょうか。
聖書と人間失格の深いかかわり
人間失格では、
大庭葉蔵という人間が、裕福な家庭に生まれ、しかしながらその裕福さの中に、何か生き辛い感じをいだいていた。
彼は幼いころから、女に囲まれて生きていたが、女ほど、分からないものはないと言って、女を阿諛して一生をつづった。
葉蔵は人間生活の苦難を感じて、薬物や酒に逃げた。
最後、葉蔵は完全に、精魂ない人間になってしまった。
そしてバーのマダムは言った。
葉蔵は、「神様みたいないい子」だったと。
ここで、葉蔵はキリストであるという構図にお気づきでしょうか。
大庭葉蔵という人間が、裕福な家庭に生まれ、しかしながらその裕福さの中に、何か生き辛い感じをいだいていた。
彼は幼いころから、女に囲まれて生きていたが、女ほど、分からないものはないと言って、女を阿諛して一生をつづった。
ここで、葉蔵がキリストだとすると、作中の「女」とは、聖書の「ユダヤ人」です。キリスト自身、ユダヤ教徒であり、将来敵対するものに囲まれて育ちました。
葉蔵は人間生活の苦難を感じて、薬物や酒に逃げた。
最後、葉蔵は完全に、精魂ない人間になってしまった。
キリストは、国に追いやられ、最終的には十字架で処刑されてしまいます。
そしてバーのマダムは言った。
葉蔵は、「神様みたいないい子」だったと。
ここで、キリストは三日後に生還します。太宰が人間失格を書いたのは晩年ですから、生還することを望んでこの文を書いたのかもしれません。
太宰は聖書を読んでいるか?
実は、太宰は、聖書を熟読しています。
太宰は、一回目の情死に失敗してからと言うもの、聖書にかなり傾倒していたようです。
矢張り、心苦しい部分が、そうさせたのでしょう。
まとめ
太宰の聖書とのかかわりを紐解いてみました!
なんだかまた読みたくなってきました。
では!
デス・ストランディング、ラストの考察!BBとサムは確実に同一人物ではない!
どうもーチョコブーです!
今回は児島監督の最新ゲーム、デス・ストランディングのラストの考察になります。
今作もやりこみ要素が多く、ストーリーが交錯していて、謎の多い、分厚いストーリーにはなっていますが、結果から申し上げますと、
BBとサムは確実に別個体
です。そして今回はその理由を述べていきたいと思います。
BBとサムが同一人物ではない理由
まず、確実にBBとサムが別個体である理由ですが、サムは物語の後半から、BBに愛着が湧いたのかBBを「ルー」と呼んでいますよね。
そしてラストには実は、BBの事を「ルー」ではなく「ルイーズ」と呼んでいますが、ここがかなりのポイントなんですね。
実は「ルイーズ」は、女性名詞なんです。
ここで、BBは男性ではなく女性だということが分かり、BBの記憶が逆流してサムに夢を見させていたのではなく、サム自身の記憶が、BBと接続されることに因って甦ったことが分かります。
さらにBB-28について、物語内ではほとんど語られていないために、BB-28は確実にリサ以外のスティル・マザーによって延命させられてきたBBだということが分かります。
さらに物語の終盤ではサムの父はクリフと言うことが明かされますから、確実です。
まとめ
短くなりましたけれど、BB‐28をルイーズと呼ぶならば、確実にサムはBBではないです。
【ネタバレ】映画『ジョーカー』は危険思想か?ホアキン演じる2019年版ジョーカーの評価と何故ヒットしたかの理由。トランプ大統領との関り。
どうもご無沙汰してますチョコブーです!
今回は、映画、「ジョーカー」を見てきたので、解説をしてみたいと思います!
また、トランプ政治、アメリカ社会問題の面からの考察もありますので、気になる人はそちらを。
- 2019年版、ホアキン演じる『ジョーカー』、見る前に!予習!
- 映画「ジョーカー」のあらすじ!不運に満ちた人生!つまらないという人もいる
- 映画「ジョーカー」が何故有名になったか。ヒットの理由をアメリカ社会問題とトランプ大統領政治から見る
- まとめ
2019年版、ホアキン演じる『ジョーカー』、見る前に!予習!
まず、皆さんにこの「ジョーカー」を見る前に知っていてほしいことがあります。逆に、知っていてほしいことは三つだけなんです。『ダークナイト』見たりする予習なんて要りません!
この三つだけです!
まだ見ていない方は、この内容を頭に入れて、見に行ってからまた解説を調べてみてください。特に、トーマスが後のバットマンの父であることは、知っておくといないとで全く印象が変わります。
では本編へ。
映画「ジョーカー」のあらすじ!不運に満ちた人生!つまらないという人もいる
この問題作ですが、分かりやすくキャッチコピーをつけるとすれば
「シャッター・アイランドと人間失格(ジョーカー)」
と言う感じ。これはジョーカー生誕と言うより、社会問題に焦点が当たった作品だと思いましたし、ラストの解釈に因ればアーサーはずっとただの一般人です。だからジョーカーは()つきです…
私生活では精神病に悩まされ、コメディアンになって有名になりたいアーサー(ジョーカー)。彼は母と二人暮らしであり、同アパートのソフィーにひそかな思いを寄せる。
そんな中、金の汚職などでゴッサムシティを牛耳る、ウェイン財閥のエリート社員三人を、彼は地下鉄で射殺してしまう。
これが、アーサーと言う一般市民が、ジョーカーとして生きる幕開けだった。
彼のなかで、特に彼の人生に影響を与えているのは、妄想が見えるというもの。さらに、精神が高ぶると笑いが止まらなくなってしまうこと。
ストーリーが展開するにつれて、笑顔が減っていくアーサー。
唯一信頼できた母と、恋人ソフィーの裏切り。(裏切りと言うより、事実だけを追えば彼の勘違いにはなってしまうが、それが彼の、社会への執念を燃やす。)
リークを恐れてピエロ事務所の元同僚を殺し、母を殺害し、さらに尊敬するコメディ番組の司会であるマレーをも撮影中に射殺。(マレーがジョーカーの狂気の決め手になった)
しかしゴッサムの政治腐敗を恨む若者たちがピエロ姿をして暴走し、アーサーをのせた警察車両に激突、救出し、ジョーカーを崇める。
彼は、やっとみんなから認められることに成功したのだった。
2019年版『ジョーカー』、ラストの考察。
最後は精神病院(おそらくアーカム・アサイラム)において、アーサーが初めの薬の相談をしている人と対話している場面です。
ここでおそらく皆さんは、「あれ?」と思ったり、「ジョーカーがジョーカーとなったところで話を打ち切っておいた方がかっこよかったのに!」と思ったことでしょう。
おそらく皆さんが抱いたであろうこのラストの解釈を、整理しましょう。
- はじめからすべてアーサーの妄想だった
- アーサーは途中から妄想に入った
- アーサーがジョーカーとなった後、精神病院に入れられた
一つ目の解釈から見ていきましょう。
そしてここで皆さんに思い出してほしいキーとなるシーンが、最後です。
特に最後の、「アーサーの靴底の血」になります。
1.はじめからすべてアーサーの妄想だった
これならすべて決着が付きます。
アーサーははじめから精神病院に入れられ、カウンセラー(セラピスト)を登場人物として、物語を妄想で作り上げていった。
おそらく、これはジョーカーがゴッサムシティに登場した後の話で、自分がジョーカーならこういうストーリーが良いだろうと頭で考えていた。
ラストの「靴底の血」すら妄想である。
現実のシーンは、ラストの相談シーンのみ。
ちょっと面白くありませんね。
他の解釈も、見ていきましょう。
2.アーサーは途中から妄想に入った(なぜ冷蔵庫に入ったか)
これは、私が一番支持する解釈ではあります。
実は私、ちょっと気になっていた点がありまして、それは、
「アーサー、こんないい服着れるくらい金あるの?」
と言うもの。
ソフィーに、ストーカーしていたことを見破られたシーンでは、彼は毛玉一つ立っていない若草色のセーターを着ていましたし、ボトムスも可成りいい生地のゆったりとしたものを着ていました。
それに対して、ブルースに初めて会いに行ったときは、明るいブラウンのベストに、同色のパーカーという見すぼらしい組み合わせでした。
更に少しずつ笑うことが少なくなっている。
つまり、彼が妄想世界にいる時は、彼は障害もないはずであり、いい服を着て、何とか運よく悪事を切り抜ける。
では、彼はいつ、妄想の世界に旅立ったのか。
それはおそらく、あの異様に長かった、彼が冷蔵庫に入るシーンでしょう。
警察の電話が何回も掛かってくる中で、冷蔵庫に入るジョーカー。しかし皆さんは、「なんであのシーンあんなに長かったの?」と思うはずです。
しかもこのシーンは、その後の展開に全く関りが無い…
この映画、何か不自然なシーンには、秘密が隠されているのです。アーサーは、冷蔵庫の中で、想像を膨らませた。
そして家に来た警察に捕まった後、初めにあったセラピストと偶然再会し、殺害する妄想をした。
そういえば劇中でも、アーサーと母の対話の場面で、
「ママは人を笑顔にさせるって言ってくれたよね」
「そんなこと言ってないわよ」
と言う会話が、しれっと登場します。
なんか倒錯して、映画「シャッター・アイランド」のような衝撃のラスト解釈でしたね。
3.アーサーがジョーカーとなった後、精神病院に入れられた
これは、最高の理想のラストではあります。
さらに、ラストのバットマン誕生のシーンと重なって、ぞっとした方々も多いでしょう。
原作では、バットマンは基本的に人殺しをしませんから、悪党をボコボコにタコ殴りにして精神病院にぶち込みます。
ダークナイトでも、バットマンはジョーカーに「俺を殺せ!」というものの、ぼこぼこにしてバンジージャンプさせてビビらせるだけで終わります。
バットマンのファンとしては、最高な解釈と言えるでしょう。
2019年版『ジョーカー』歴代映画との比較。
際立ったシーンが多かった今作。
実はこのストーリー、完全なオリジナルです。
というのも、原作にもジョーカーの誕生秘話は何個か登場します。
最も有力なのはレッドフードと言うヴィランが、金に困ってチンピラの手伝いをし、手伝い中に妻が死に、バットマンに追い詰められて酸の中に落とされるというハービー的な感じなのです。
映画「ダークナイト」の中では自分がジョーカーになった理由を、ジョーカーが語るシーンが何度かありますが、それぞれ違う理由を語っているのです。
こんな感じで、今作は完全にオリジナル…とはいえ、
最後の、ブルースの目の前でトーマスと母が殺されて、真珠のネックレスが引きちぎられるシーンはしっかり踏襲されていましたね。ここは鳥肌立ちました。
バットマンの歴代ヴィラン達
バットマンが「法の執行代理人」「秩序を守るもの」といったイメージに対して、バットマンの宿敵となるものたちは、基本的に、人を恐怖に陥れるものをイメージして作られています。
バットマンがダークヒーローと言われる所以は、その恐怖を、より大きな恐怖で抑えようとする、何ともヒーローらしからぬ思想を持っているからです。
バットマンの敵として思い浮かべられる者としては、
などですが、それぞれに、
と、分かりやすく人を恐怖に陥れるものが当てはまるのです。
映画「ジョーカー」が何故有名になったか。ヒットの理由をアメリカ社会問題とトランプ大統領政治から見る
この作品、なんだかそれに似ている気がして。僕が人間失格好きだから、勝手に思っているだけかもしれませんが…
今作に登場する主な社会問題としては、
- 薬物中毒
- 雇用
- 行き過ぎた個人主義
- 貧困
- 障がい
- 精神病
- 幼児虐待
- ネグレクト
- など…
ですが、人間失格で取り上げられた問題も、近いものがあるのです。
なぜこれがアメリカでヒットしたかと言うと、イギリスで1984年が大ヒットしたように、それだけこの社会問題に思いを寄せている人が多いからと言うこと。
しかも今はアメリカはトランプ政権なわけです。
トランプが何故当選したかと言えば、アメリカの貧困層が特に困っている、移民問題解決を訴えたから。
歴史の話になりますが、トランプがとった州は、アメリカの真ん中と、下の方です。つまり、荒野が多く、親が鉱山の働き手だったりして、勉強があまりできなかった人たちの多い場所。
そこにメキシコから移民が来て職を奪っていくのですからたまったもんじゃありません。
トランプは、今危機を感じているWASPに同調して当選したのです。
実は、ヒラリーに当選してほしいと思っていた人も多いと思いますが、ヒラリーが主に取ったのは西南海岸の、裕福層の支持。ニューヨークやカリフォルニアなど、私たちが普段思い浮かべるアメリカの明るい面の象徴なのです。
アーサーは、虐げられ、しかも白人であり、人生は貧困の中ずっと不運に見舞われます。
トランプ当選と、ジョーカーのヒットは、アメリカの貧困層の不満が募っていることを表すのです。
おそらく、生まれたときからある程度裕福な人から見れば、この作品は大きくつまらないものでしょう。
しかし、誰もが行き当たる可能性のある社会問題を多く含んでいるからこそ、ここまでヒットしたのではないかと考えます。
まとめ
なんだか尻切れトンボ的説明になってしまいましたが、
- はじめからすべてアーサーの妄想だった
- アーサーは途中から妄想に入った
- アーサーがジョーカーとなった後、精神病院に入れられた
この解釈三つの中で、何を信じるかはあなた次第ですし、異論を唱える人も多いと思います。
ただ、アーサーの着ているもののように、何か違和感があるシーンは、確実に解釈のヒントが隠されています。
気になるあなたは、すぐまた映画館へ!
と言う私も、明日また見に行こうかな…
それではまた!
文豪ストレイドッグスってうざい?太宰治大好き、人間失格から見る、フランツ・カフカとの共通点
皆さんお久しぶりです!チョコブーです!
文豪ストレイドッグスがうざい。画像検索で変な写真出てくるし文豪バカにしすぎ問題
皆さん文豪ストレイドッグスという漫画、好きですか?
世の中にはこのアニメ、漫画を良くないと思う人も居るよう…というより、私は好きじゃない部類の人間です。
ですが、文豪が好き!本が好き!な人には、私に共感してくださる人も多いはず!
なので、この先は文ストが好き!カッコいい!って人は見ないでほしいです。敷衍するのはあくまで私見ですので、あまり皆さんは気にしないで下さいね!
ただ、私も文スト嫌い!って人には見てほしいのです。共感してもらえる部分があるかも!
結論を先に述べると、
最終的に、カフカと文豪スレイドックスの共通点に行き着きました。
では、本文に参ります!
私の好きな文豪は太宰治である。
私が初めて本にはまったのは、あれは高三の頃。受験なんて諦めて、浪人しようって思って全然勉強しませんでした。
その時、僕は本なんかには興味はなく、
まあ読んだ方が良いんだろうけど、本当に面白いのかな?
なんて思いながら、ゲームばかりしていました。
こんな自分嫌いだなあって思ってたところ、なんと、卒業式の次の日に、私は彼女に振られちゃったのです。
いや。かなり落ち込みましたね。極度の人間不信に至りました。
私はダメなやつだ。生きてちゃいけない。って思って、学校近くの書店にふらと立ち寄りました。
買って、近くの公園で最後まで読みました。
太宰治によって、生きる希望が見え始める
泣きました。
夜中の公園で一人、泣きながら読みました。なんでこんな素晴らしい小説が書けるんだろうと思いました。
私は、葉蔵よりは、まだましな人間だ。もう少し生きてみよう。
そう思えました。この本が私を、窮地から救ってくれたのです。人間自分より酷い奴をみると、なんだか気持ちよくなるような、キリスト教的に言えば原罪を持っているようで、私はそれによって、感動し、それによって生きていく希望を得られたのでした。
なんだか私も、くずみたいですね。
太宰治、二十世紀騎手について。太宰などはまりする
そろそろ、読者の皆さんも、このブログ文ストに関係なくね?とか思い始める頃でしょう。
もう少しです。前置きが長くなります。
私は、猪突猛進タイプです。
好きになったら、とことん知りたくなります。メンヘラなんですね笑
太宰治作品のおすすめ
軽い系でユーモアがある作品でおすすめなのは、
です。まあ太宰的な軽快なリズムで、ユーモアが溢れている。自虐的なねたが多いですが、かなり面白かった。
津軽通信の中の、『チャンス』は太宰の恋愛観が冗談交じりに書かれていて、意外なラストが、また笑いを生んでくれました。
ですが個人的に最も感動したのは、
- 二十世紀騎手
これにつきます。太宰の本で、人間失格の次に感動しました。読みながら、泣きました。
実はこの本、手に取って読んでみたものの、訳が分からなすぎて途中で放棄してしまって、
太宰ぜんぶ読んでから、その後で読もう!
なんて一人で思ってた作品なんですね。
これ、実は、太宰が薬物中毒のときに書いた作品なんです。
だから、散文が散文。超散文。そして随筆的。途中にはルビを振りまくってしかもひらがなの部分を全てカタカナで書くという読みづらさ。
ですが、それでこそ伝わってくるものがありました。
これだけ錯乱してても、自分の意思を伝えたい気持ち、そして、深い道徳心。
太宰が『人間失格』などあれだけ悲惨にかけた理由は、彼の深い道徳心からなんだと、再認識できた作品でした。
世の中には、意味わからなかったと言って、放棄する人も多い作品ですが、ひと頑張りして、最後まで読んでみると、何か見えるものがあります。
超散文、随筆体ですが、ひとつひとつ言っていることはまずまずまともなんですね。読み解いていくのが楽しいんではないかと思います。
文豪ストレイドッグス、好きな文豪馬鹿にしすぎ
まあ前置きが長くなり、タイトル太宰治についてとかに変えた方がいいんじゃないかとか思いましたけど、
ここからが本題です。
文スト、私は語れるほど見ているわけではありません。最初の5話くらいだけアニメをみて、くそすぎて見るのやめました。
私は、批評するときは、全作品を見てから批評したい性質なんですけれど、
例えば、僕は村上春樹が嫌いなので、否定するために全て読んでやろうと思っています。いま全作品の半分くらい読みました。
村上春樹のような、無意味でありながら意味深ぽい言葉を羅列したり、魔の山を思い切りパロディしたりする、芸術的なくそさならまだ分かりますけれど、
文ストは、ちょっと軽薄過ぎます。
名前知ってるだけ、物事の名前だけ知って、それで全部分かりきった気になっている事が好きな若者たちがいかにも好きそうな作品です。
例えば、今の若者たちは、ソクラテスの『無知の知』の意味を知らないんですよ。ただ、名前だけ知っている。これは
『自分が何も知らないことを自覚する事が大切!』みたいな軽いことではなくて、
『自分は何も知らない。だから知るべきだ!』という啓蒙的な思想があることを知らない人が多い。
そういう人が好きそうですよね。
文豪ストレイドッグス、太宰治の異能力『人間失格』
太宰治、上に述べた通り僕は好きなんですよ。太宰全集欲しいです。全集にも、新潮文庫『地図』にのってあるような、彼が中学生の時書いた文は、あるのかな?
太宰治をいろんな人に知ってもらうきっかけになるという点では、文ストは素晴らしいです。
ですが、文ストの中での太宰治のキャラといい、人間失格という異能力といい、設定が適当すぎる。
文ストの太宰は、ただの死にたがりみたいに書かれていますけれど、それも、苦悩があったからなのです。
彼は、芥川の自殺に影響を受けた一番初めの自殺未遂後、自分の精神の弱さを思って聖書に傾倒するようになりますが、
そのような描写は一つもなく。
まあ、こういう事が沢山あるわけです。
素晴らしい文豪のお名前を引用するなら、ちょっとは勉強してから書け!
これが言いたいことでは有ります。
太宰治で検索かけると、文ストの太宰ばかり出てきてうざい
悩んでいる事があるのですよ。
私は太宰が好きですから、当然彼のいろんな写真を見たくなる時もあります。
そういう時、太宰治で検索かけるんですけど、
何こいつみたいなやつ、
つまり、文ストの太宰治ばかり出てきてうざいのです。
私の検索方法が阿保なんですかね。
それとも、もし同じ悩みにぶち当たっている人がいるならば、ここで共感して貰えれば嬉しいです。
朝霧カフカとフランツ・カフカについての考察
最後に、著者の名前について考えます。
私は、カフカの『変身』を読みました。審判も読みたいと考えています。
カフカについては、かなりの初心者です。だから村上春樹が苦手なのかもしれません。
彼が、なぜ名前を『朝霧カフカ』にしたのか。
私が考察したところ、
彼は、軽薄で無教養な若者を風刺するためにこの名前を選び、この作品を書いた
のではないかと考えます。
カフカの『変身』のネタバレ解説
カフカの『変身』では、ある日、主人公が朝起きると、突然毒虫に変身しています。
家の者たちに自分が見た目と違い、今まで一家に居たものだと証明しようと足掻きますが、結局、家の者たちはこの毒虫を気持ち悪がって殺してしまいます。
この、カフカの変身では、人々の、見た目の判断に傾倒し過ぎる性質があらわされていますが、この風刺体系が、そのまま文豪ストレイドッグスには応用されているように思います。
名前だけの文豪たち
意味のわからない異能力
彼らに対する軽薄な捉え方…
それら自体が、若者への風刺なのです。
まとめ
もともと、文豪ストレイドッグスの太宰治がひどい描写なのを、こき下ろすつもりでしたが、最終的に、カフカと文豪ストレイドッグスの共通点を見つける事で、締めました。
わかりづらいところが多いと思いますけれど、これが私見です。
では、また次回!